コレクターなら持っておきたい「ナポレオン金貨」はどのような金貨?その魅力も紹介!
アンティークコインコレクターに人気があり、比較的入手しやすいと言われるナポレオン金貨。
今回は、その「ナポレオン金貨」について、どのようなものがナポレオン金貨と呼ばれるのか、またその魅力を紹介します。
実は一般的にナポレオン金貨と呼ばれる金貨は「余の辞書に不可能の文字はない」で有名なナポレオン1世のものではなく、甥のナポレオン3世時代のもの。
何故その時代の金貨がナポレオン金貨と呼ばれ、コレクターに親しまれているのか、また、他にどのようなナポレオン金貨があるのかもご紹介します。
コインの概要
※ナポレオン3世の20フラン金貨の場合
表面:ナポレオン3世の横顔(月桂樹の冠つきのものもあり)
銘文:NAPOLEON III EMPEREUR·
翻訳:皇帝ナポレオン3世
裏面:花輪の中央に額面・発行年
裏面(別パターン):フランス帝国のシンボルである鷲・王冠・マント・レジオンドヌール十字・王笏・正義の手の笏
銘文:EMPIRE FRANCAIS
翻訳:フランス帝国
側面:文字
銘文:★ ★ ★ ★ ★ DIEU ★ PROTEGE ★ LA ★ FRANCE
翻訳:神はフランスを守る
発行年 | 1852年~1870年 |
鋳造地 | パリ・ストラスブール・リヨン |
額面 | 20フラン |
素材 | 金(90%) |
重量 | 約6.45g |
直径 | 約21mm |
ナポレオン金貨とは?
ナポレオンと聞いて多くの方が思い浮かべるのは、「余の辞書に不可能の文字はない」という言葉で有名なフランス皇帝・ナポレオン1世なのではないでしょうか。
しかし、アンティークコインの世界で言う、「ナポレオン金貨」とは一般的に、ナポレオン1世の甥にあたるナポレオン3世の肖像が裏面に描かれた金貨のことを指します。
狭義的には、その中でもナポレオン3世在位期間である1852年から1870年に発行された20フラン金貨のみのことを指す場合もあります。
また、ナポレオン1世時代以降に発行された20フラン金貨全体を、「ナポレオン金貨」と呼ぶ場合もあるため、ナポレオンの肖像が描かれていないものでも「ナポレオン金貨」と称されている場合もあり、注意が必要です。
コインのデザイン
コインの表面には、ナポレオン3世の横顔の肖像が描かれています。
コインの額面や発行場所により、ナポレオン3世が左向きのものや右向きのもの、ナポレオン3世が月桂樹の冠をかぶっているものとかぶっていないものがあります。
彫刻家はDésiré-Albert Barre、パリ造幣局で第18代主任彫刻家を務めた人物です。
裏面には、花輪の真ん中に額面が大きく描かれたものや、フランス帝国を象徴するモチーフが盛り込まれたものなどがあります。
なぜナポレオン3世20フラン金貨が代表的なナポレオン金貨なのか?
なぜ、さまざまな定義がある中で、狭義的にはナポレオン3世の20フラン金貨を「ナポレオン金貨」と呼ぶのでしょうか。
その理由は、ナポレオン3世時代に20フラン金貨が大量に発行されたことにあります。
ナポレオン金貨を発行したフランスは、世界的にも非常に金貨製造技術が発達していました。
また、フランスの造幣局は世界各国の銀行と密接な関係にあり、フランスの金貨はラテン通貨の基準とされていたことから、フランスは金貨の発行が盛んだったとされています。
そして、ナポレオン3世時代の19世紀半ばは、「ゴールドラッシュ」と言われる金鉱脈が多く発見された時代。
そういった背景から、ナポレオン3世時代の金貨、とりわけ20フラン金貨が大量に発行された、という事実があります。
ナポレオン金貨の希少性
先述した通り、ナポレオン3世時代の20フラン金貨は大量に発行されています。
そのため、19世紀半ばと150年以上前に発行されたコインながら、価格はさほど高額ではありません。
美品であっても地金価格に近い価格で取り引きされていたこともありました。
しかし、昨今のアンティークコインへの関心の高まりから、比較的入手しやすいナポレオン金貨であってもその価格は上昇傾向にあります。
また、ナポレオン3世時代の20フラン金貨にはフランス造幣局のあったパリで鋳造されたもの(ミントマーク“A”)の他にストラスブール(ミントマーク“BB”)やリヨン(ミントマーク“D”)で鋳造されたものも存在します。
そういったパリ以外の都市で鋳造されたものは、パリ鋳造のものより希少価値が高い傾向にあり人気です。
その他のナポレオン金貨
狭義的には「ナポレオン金貨」とはナポレオン3世時代の20フランコインですが、その他のナポレオン金貨にはどのようなものがあるか、紹介します。
ナポレオン1世20フラン金貨
もちろん、非常に有名なナポレオン1世の肖像が描かれた金貨も存在します。
1802年より発行されており、当時ナポレオン1世が支配していた土地の貨幣統一がはかられていたためさまざまな都市で鋳造されました。
鋳造地には、パリ(ミントマーク“A”)やフランス各地の他、ジェノヴァ(ミントマーク“CL”)、ローマ(ミントマーク“R”)、トリノ(ミントマーク“U”)などイタリアのものや、オランダ王立造幣局(ミントマーク“Ü”)のものもあります。
鋳造地により発行枚数が違い、特にジェノヴァで鋳造されたものは希少です。
1808年まで発行されていた20フラン金貨の裏面には、「EMPIRE FRANCAIS(フランス帝国)」ではなく、「RÉPUBLIQUE FRANÇAISE(フランス共和国)」と書いてあることが特徴的です。
ナポレオンの肖像には、月桂冠をかぶっているものと、そうでないものがあり、肖像画でもよく見られる月桂冠をかぶった姿のものは人気の傾向にあります。
ナポレオン3世100フラン金貨
ナポレオン3世時代には、5フラン・10フラン・20フラン・40フラン・50フラン・100フランの金貨が発行されていました。
中でも、最も額面が高い100フラン金貨は、約32.25g〜32.35gあり、直径も約35mmと比較的大ぶりであることが魅力です。
1855年から1870年の間に発行されており、20フランよりも発行期間がやや短く発行枚数も少ないため、希少価値のあるナポレオン金貨と言えるでしょう。
鋳造地は主にパリとストラスブールで、ストラスブール発行のものはさらに希少価値が高く入手困難です。
入手しやすくも今後価値が上がり続けるナポレオン金貨
今回は、フランスのナポレオン金貨について紹介しました。
ナポレオンと聞くと真っ先に思い浮かべるのはナポレオン1世ですが、「ナポレオン金貨」と称されるのは主にナポレオン3世の肖像が描かれた20世紀金貨です。
ゴールドラッシュ時に、権威あるフランスの造幣局がたくさん発行したため、アンティークコイン初心者でも比較的手に入りやすいナポレオン金貨。
しかし、近年アンティークコインは投資商品として非常に人気を集めており、その価値は今後上昇していくことが予想されます。
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未使用の美品や、ナポレオン3世時代の20フラン金貨に限らず、比較的数の少ないナポレオン1世時代の金貨や100フラン金貨などもおすすめです。
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