世界一美しい銀貨と称される「1847年ゴチッククラウン銀貨」その魅力と時代背景を解説!
世界一美しい銀貨と称される「1847年ゴチッククラウン銀貨」その魅力と時代背景を解説!
世界一美しい銀貨とも言われる、1847年ゴチッククラウン銀貨。
ヴィクトリア女王の即位10周年を記念して発行されたイギリスのアンティークコインです。
「ウナとライオン」で知られるウィリアム・ワイオンによるデザインは非常に美しく、多くのコレクターが一度は手にしてみたい銀貨として有名な1847年ゴチッククラウン銀貨。
今回は、そんな1847年ゴチッククラウン銀貨について解説します。
コインの概要
表面:王冠かぶったヴィクトリア女王の右向きの肖像
銘文:Victoria dei gratia britanniar.reg:f:d·
翻訳:英国の神の恩恵の勝利・進行の擁護者である女王
裏面:十字型に配置したイングランドを表す3頭のライオン、スコットランドを表すライオン、アイルランドを表すハープと、バラ、アザミ、クローバー
銘文:tueatur unita deus/HONI SOIT QUI MAL Y PENSE/anno dom mdcccxlvii
翻訳:神が連合王国を守ってくださいますように/それを邪悪に思うものは恥知らずである/わたしたちの主の年である1847年
発行年 | 1847年 |
鋳造地 | イギリス王立造幣局 |
額面 | 5シリング |
発行枚数 | 8000枚 |
素材 | 銀 |
重量 | 約28.276g |
直径 | 約38mm |
1847年ゴチッククラウン銀貨とは?
イギリスのヴィクトリア女王即位10周年を記念して発行された記念銀貨です。
当時8,000枚が発行され、現在「世界一美しい銀貨」と称されており、アンティークコインコレクターなら1度は手に入れたい品と言えるでしょう。
1847年ゴチッククラウン銀貨についてくわしく解説していきます。
コインのデザイン
表面には、若きヴィクトリア女王の左向きの胸像が刻印されています。
「英国の神の恩恵の勝利・進行の擁護者である女王」という意味のラテン語が記されており、女王を称える銀貨であることがよくわかります。
裏面には、イングランド・スコットランド・アイルランドの象徴が十字架に配置され、それぞれの国花であるバラ、アザミ、クローバーが周りに配置されているのも魅力です。
1847年ゴチッククラウン銀貨の彫刻家
表面彫刻は、イギリス王立造幣局の主任原版彫刻師を勤めていたウィリアム・ワイオンによるものです。
ウィリアム・ワイオンは、世界一有名な金貨である「ウナとライオン」を手がけたことでも有名な彫刻師。
繊細でエレガントなデザインに定評があり、万国博覧会の記念硬貨なども手がけました。
表面のヴィクトリア女王の左下部分に非常に小さく彼のイニシャルである「WW」が刻印されていることが、このコインが本物かどうか見極める1つのポイントでもあります。
裏面は、スコットランドの芸術家、ウィリアム・ダイスによるデザインです。
中世ゴシック様式の装飾や様式を再現「ゴシック・リバイバル」
ヴィクトリア女王の王冠は、中世から使用されていたチャールズ2世が使用していた聖エドワード王冠です。
2023年に英国国王に即位したチャールズ3世も戴冠式でこの王冠を使用しています。
この王冠と、コインに使用されている字体、こちらはどちらもゴシック(ゴチック)様式のもの。
当時のイギリスでは、中世ゴシック様式の装飾や様式を復興しようとした「ゴシック・リバイバル」という動きが見られていました。
そのため、1847年ゴチッククラウンに刻印された王冠や字体にこのような様式が見られるのです。
1847年ゴチッククラウン銀貨の希少性
即位10周年記念銀貨として発行された1847年ゴチッククラウン銀貨ですが、1クラウン(5シリング)硬貨としても使用されていました。
(現在は25ペンス通貨として使用可能ですが、1847年ゴチッククラウン銀貨を25ペンスとして使う人はいないでしょう。)
通貨であったため、わずか8,000枚の発行のうち状態の良いものを手に入れることは簡単ではありません。
しかし、根気よく探せば見つかるかもしれない、くらいの入手難易度のため、アンティークコインコレクターが「1度は手に入れたい!」とコレクション欲を掻き立てられるのです。
1847年ゴチッククラウン銀貨の種類
1847年ゴチッククラウン銀貨には実はいくつかの種類があり、入手難易度はさまざまです。
1847年 SEPTIMO(セプティモ)エッジ
SEPTIMOは7番目を意味するラテン語で、1847年に発行されたSEPTIMOエッジのものはエラーコインであり、滅多とお目にかかることはありません。
1847年 UNDECIMO(アンデシモ)エッジ
UNDECIMOは11番目を意味するラテン語で、即位10周年である1847年はヴィクトリア女王にとって11年目の年です。
1847年ゴチッククラウン銀貨の中で最も入手しやすいエッジと言えます。
1847年 プレーンエッジ
刻印無し(プレーン)のもの。
通常は銀の純度92.5%のスターリングシルバーですが、こちらは銀の純度99.9%で30枚ほどしか発行されていない超希少品です。
1853年 SEPTIMO(セプティモ)エッジ
コレクターに向けて、460枚だけ発行された復刻版です。
「ANNO REGNI DECIMO SEPTIMO」と刻印されており、ヴィクトリア女王17年目を意味します。
非常に希少性の高いもので、見つけたら即購入をおすすめします。
1853年 プレーンエッジ
こちらの復刻版にもエッジなしのものが存在し、超希少品です。
他にも、8枚以下しか鋳造されていない金やプラチナで作られた1847年ゴチッククラウンがあると言われています。
そちらは滅多と目にすることがないようです。
コインコレクターなら1枚は手に入れたい1847年ゴチッククラウン銀貨
今回は、1847年ゴチッククラウン銀貨について解説しました。
「ウナとライオン」で知られるウィリアム・ワイオンによる美しいデザインと、発行枚数たった8,000枚という希少性から、非常に注目度の高いコインです。
ヴィクトリア女王の王冠や刻印された字体から、中世のゴシック様式へ回帰するゴシック・リバイバルを感じさせるデザインのクラウン銀貨。
そのため、ゴチック・クラウン銀貨という呼び名がつきました。
さまざまなエッジがあり、希少性が違うので希少性の高いものは購入のチャンスを逃さないようにしましょう。
しかし1847年ゴチッククラウン銀貨は人気が高いため、偽造されたものが複数あるのも特徴です。
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