
【MS64】1864年 フランス 第二帝政 ナポレオン3世 オート=ヴィエンヌ農業コンクール 金メダル
150年の時を超え、今も輝く栄光の証!
栄光のフランス帝国、ナポレオン3世の輝きを今に伝える歴史遺産です。
世界市場で絶大な人気を誇るナポレオンコインから、
他ではまず手に入らない、極めて高い希少価値を備えた逸品のご紹介です。
■デザイン
表面:ナポレオン3世の肖像
銘文:NAPOLEON III EMPEREUR A. BESCHER A. BORREL
裏面:農業の豊穣と繁栄を象徴するデザイン
銘文:外周:SOCI??T?? D’AGRICULTURE SCIENCES ET ARTS DE LA HAUTE-VIENNE(訳:オート=ヴィエンヌ農業・科学・芸術協会)、中心:1864 BOUCHY ?? ??TIVEAUXと刻まれており、1864年にエティヴォーのブシー氏に授与されたと記されています
刻印師:A. BESCHER、 A. BORREL
ナポレオン3世の肖像を刻むこのメダルには、名匠オーギュスト・ベッシェル(A. BESCHER)の緻密な技巧が息づいています。ベルギー出身でパリに渡り著名なメダル工房オノレ・ド・ロンゲイユを継承した彼は、パリ造幣局のアルフレッド・ボレル( A. BORREL)と協働し、皇帝の威厳と知性を繊細な線で表現しました。裏面の農業モチーフにも彼らの美意識が宿り、19世紀フランスのメダル芸術の頂点がここに結実しています。
■状態
MS64
■コイン詳細
【発行年】1864年
【鋳造地】フランス
【発行枚数】103,330 枚
【素材】金
【直径】33mm
【重量】23.94g
【表面】ナポレオン3世の肖像
【裏面】農業の豊穣と繁栄を象徴するデザイン
【刻印師】A. BESCHER、 A. BORREL
【NGC鑑定】MS64
■ポイント
*希少性
本メダルは、1801年創設の由緒あるオート=ヴィエンヌ農業協会が、地域農業の発展と功績を讃えるために授与した栄誉ある褒賞メダルです。1864年という特定の年に、限られた受賞者のみに贈られた一点物であり、その希少性は非常に高いものとなっています。協会発行のメダル自体が現存する例は少なく、海外のオークション市場でもほとんど姿を見せないため、市場に流通する機会は極めて稀です。金素材であるがゆえに時代の流れの中で溶解され消失したものも多く、150年以上の時を超えて良好な状態で現存する本品は、まさに歴史が刻まれた奇跡の逸品と言えます。
*状態
”MS:完全未使用品”
MS64評価を受けた本メダルは、完全未使用の状態を誇る特別鋳造品です。流通を目的とせず記念用途として制作されたため、打刻は極めて鮮明で、表面には鋳造当時のままの光沢が残されています。細部まで行き届いた仕上がりは、150年以上の時を超えてなお輝きを放つ、まさに歴史と芸術が融合した芸術品です。
*市場性
フランスのコインは、その芸術性と歴史的価値の高さから、世界中のコレクターに高く評価されています。なかでもナポレオンの肖像が刻まれたコインは、彼の偉業とカリスマ性を象徴する存在として、常に根強い人気を誇ります。
本メダルは、フランス第二帝政期の繁栄を象徴する逸品で、ナポレオン三世の治世下、1864年にオート=ヴィエンヌ農業協会によって発行されました。農業振興に貢献した功労者を称えるために授与されたこの金メダルは、当時の国家が農業の近代化に注いだ情熱を物語る、貴重な歴史資料です。ナポレオン三世は経済発展や都市改造に加え、農業教育の充実、品種改良、インフラ整備にも力を注ぎ、各地で農業品評会の開催を奨励しました。こうした背景のもと授与されたメダルは、農民にとって大いなる誇りとなる「名誉の証」でもありました。
本メダルは直径33mm、重さ約23.94gという堂々たるサイズで、手に取るだけでその重厚な存在感と価値を実感できます。さらに、NGC社によって完全未使用品「MS64」の評価を受けており、150年以上前の発行とは思えないほど、金の輝きと緻密なディテールが保たれています。
特に注目すべきは、ナポレオン三世の威厳ある肖像です。彫刻は当時の名工、オーギュスト・ベッシェルによるもので、皇帝の自信と知性を繊細かつ力強く表現しています。裏面に描かれた農業モチーフにも同様の芸術性が宿り、まさに「芸術作品」と呼ぶにふさわしい仕上がりです。
このメダルは、発行当時から授与数が極めて限られており、その多くは家族に伝えられるか、金素材ゆえに溶解されてしまったため現存数が非常に少なく、海外オークションでもその姿を見かけることがありません。希少性、状態、市場性の三拍子がそろったこのメダルは、ナポレオン三世の時代精神と農業振興の歴史を今に伝える、注目すべきコレクションアイテムです。
昨今はナポレオンへの関心も再燃しており、昨年末の映画『ナポレオン』の公開を機に、関連する歴史的アイテムの価値も注目されています。かつて『英国王のスピーチ』公開後にジョージ6世のコインが急騰したように、ナポレオン関連のコインも今後さらなる価値の上昇が期待されています。
今まさに注目が集まるフランスの金メダル。ナポレオン三世の時代精神を映したこの逸品は、アンティークコインコレクターならぜひ所有しておきたい珠玉の一枚です。
市場に姿を見せる機会が限られる中、在庫がある今こそ、お手元のコレクションに加えていただきたい一品になります。
▼コインのストーリー
■概要
150年の時を超え、今も輝く栄光の証!
栄光のフランス帝国、ナポレオン3世の輝きを今に伝える歴史遺産です。
■フランスの歴史
本品の鋳造時におけるフランスは、1852年にナポレオン3世がクーデターを起こし、フランス第二帝政の皇帝として即位した時期です。ナポレオン3世の治世では、経済発展と都市改造を進める一方で、軍事力を背景に領土の拡張や植民地政策を進め、また、教育、交通、医療、文化に関しても改革を行い、現代化を進めていました。
第二帝政下では、フランス経済は急速に成長し、鉄道、港湾、道路、運河の建設が進み、都市計画による改革も進められました。また、フランスはアフリカや東南アジアなどで植民地を拡大し、帝国主義的な政策も推進しています。
一方で、第二帝政は政治的な不安定も伴いました。統治は強い皇帝の中央集権的な手法によって行われていたため、野党は弾圧され、自由主義者や社会主義者による反対運動も起きました。普仏戦争に敗北し、皇帝が捕虜となると、第二帝政は終焉を迎えることとなります。
第二帝政は、フランスにおいて近代化と帝国主義を推進した政権であり、経済的な発展をもたらしました。しかし、政治的な不安定さも同時に伴い、野党や労働者階級の反発を招き、最終的には敗北と崩壊を迎えることになりました。
■第二帝政とは
フランス第二帝政(1852年~1870年)は、ルイ・ナポレオン・ボナパルトが「ナポレオン3世」として即位し、独裁的な帝政を築いた時代です。この体制は、1848年の二月革命での混乱を収束させ、安定を求める国民の支持を得て成立しました。ルイ・ナポレオンはまずフランス共和国の大統領に選出されましたが、任期満了に際して憲法改正が否定されたため、1851年にクーデターを起こし、翌1852年に皇帝としての地位を確立しました。
第二帝政の初期には、ナポレオン3世の独裁的な統治が強調され、報道や政治的な活動が制限されましたが、彼は経済の近代化や都市整備に力を入れました。特にパリの大規模な改造が有名で、都市計画者ジョルジュ・オスマンによるパリの再開発は、街の衛生状態を改善し、現代的な都市景観を生み出しました。また、鉄道の整備や産業の育成も推進され、フランスは工業化の波に乗ることができました。
一方で、対外的にはクリミア戦争やイタリア統一戦争などに積極的に関与しましたが、最終的に普仏戦争での敗北が決定打となり、ナポレオン3世は捕虜となり、帝政は崩壊しました。この敗北を契機にフランスでは第三共和制が成立し、第二帝政はその役割を終えました。
■ナポレオン3世とは
ナポレオン3世(Napol??on III, 1808年4月20日 - 1873年1月9日)は、フランス第二共和政の大統領(在任:1848年 - 1852年)、のちフランス第二帝政の皇帝(在位:1852年 - 1870年)。
ルイ=ナポレオン・ボナパルトは、フランス皇帝ナポレオン1世の甥であり、彼の名前と家族の名誉を受け継ぎました。彼は1808年にパリで生まれ、幼少期にフランスを離れ、亡命生活を送りました。彼は1836年にフランスに帰国し、政治的な野心を抱くようになりました。
1848年の2月革命(フランス革命1848年)において、ルイ=ナポレオンはフランス第二共和国の大統領に選ばれました。その後、彼は立憲派との連携を築き、大衆の支持を受けて、1851年にクーデターを起こし、共和国政府を打倒して第二帝政を宣言しました。彼は「ナポレオン3世」として戴冠し、フランス帝国の皇帝となりました。
ナポレオン3世はフランス帝国の統治下で多くの改革と近代化を推進し、都市の再建、鉄道網の拡充、経済発展などを成し遂げました。また、彼の政策はフランスの植民地帝国の拡大にも繋がり、ヨーロッパ全体で中心的な人物となりました。
しかし、普仏戦争(フランス普仏戦争)による敗北で捕虜となり、帝国が崩壊すると、ナポレオン3世は1870年に退位し、亡命生活に入りました。彼はイギリスで亡くなりましたが、フランスの歴史においては近代化を進めた改革者として称賛される一方で、権威主義的な統治と冒険主義的な外交政策を押し進めた君主として世界的でも有名な君主の一人になっています。